アレサ&アレサU。


アレサシリーズは、1990〜1995年頃にやのまんが開発したRPGである。

ここでは、アレサシリーズとしては第4、5作目にあたるスーパーファミコン版アレサとアレサUについてレビューする。

 

アレサ。このゲームを一言で言い表すならば

「色々と斬新な要素を取り入れてみた結果、極めてどれも中途半端だったり余計だったりして結果的に評価されなかった」作品であると言えよう。

革新的なアイデアを追い求める事は時に不毛であるという事を強く認識させられる教訓となったゲームである。

 

俺はこのゲームを小学校に入るか入らないかぐらいの、かなり幼い頃に従兄弟の家でプレイした覚えがある。

その時に強烈なインパクトを受けたのが、主人公が女の子であったということと、

戦闘中にダメージが表示されないというシステムである。

困惑とともに幼いながら「なんかすげー」と思ってしまったこの不親切設計。

さらに進んでいくと「武器合成」や「360度方向戦闘システム」など、次々と色んな要素が飛び出してきて

なんだかついていけなくなりながらも、凄いゲームだと驚かざるを得なかった。

 

自分の所有物ではなかったのでそこで一旦ゲームをやめたが、その後も俺の脳裏にアレサというゲームの記憶は居座り続け、

機会があったら絶対いつかプレイしようと心に留めていたのだった。

そんな、一見正統派なのに実はインパクト抜群なこのアレサというRPG、どんな画期的なシステムがあるのか?

それを一挙にまとめてみようと思う。

 

1.ダメージが表示されない
前述したように、自分が最も衝撃を受けた要素がコレである。
普通のRPGだったらモンスターに攻撃した際にダメージの数値が出るのだが、アレサではそんなヌルいものは出ません。
もちろん、モンスターの現在HPだって表示されない

ただ一つ残りHPのヒントとなるのが、敵がどれだけ残り体力があるのかを示す「色」である。
敵にダメージを与えていくと色が数段階に分けて赤くなっていくのだ。コレが弱っている証拠。

「ダメージ表示されないとかひどすぎだろ」と思うかもしれないが、慣れるとある程度与えているダメージが感覚的にわかるようになってくるし「この呪文は強い」とかもなんとなく判断できるようになってきて、不思議と「なじむ」システムだったりする。
だから俺はこのシステムは結構アリかな、と思った。
この後に他のゲームをやったら「やっぱダメージ見えないとダメだわ」って思うけどw
ちなみに、味方のHPはさすがに表示される。でもやっぱりダメージの数値は無いので、マイナス分からダメージを判断しなくてはいけない。

 

2.BGMメドレーシステム
このシステムの正式名称を知らないのでこう名付けてみた。
他のRPGならば、たとえば町からフィールドへ出て画面が切り替わったときなどに一緒に音楽もフェードアウトして別のBGMに切り替わるが、アレサではそんな興がそげるような事は致しません。
なんとそのままBGMが途切れずにつなぎのフレーズが入り、他のBGMにメドレー調で移行するようになっているのだ。
コレにより、無音の状態を味わうことなく常にBGMを楽しむことができるわけだ。このシステムはほんとに文句無かったw
ちなみにこのゲームのサウンドはなかなか。

 

3.ミクストフォーム
当時としては画期的だった、武器や防具を作ることができる夢のようなシステムがコレである。
と、いっても自分で名前を付けたりとかそこまでたいそうな事もできず、生まれるアイテムも決まっているのだがw

どういう仕組みかというと、アレサではモンスターを倒すと魔法の宝石「ソウル」を落とす。
このソウルには火や水といった属性があり、これと武具をかけあわせることによって新しい武具が生成されるのである。
ソウルの数量によってできるアイテムも変わるので、そこそこ奥が深い。
また、弱いモンスターでもソウルを落すので、このシステムのおかげで雑魚と闘うのが無駄にならないのも利点だ。

問題はかなりのバランスブレイカーであること。これについては後に記述する。

 

4.360度スクロール戦闘システム
普通のRPGならば、バトル中の視点は一点のみ。しかしアレサではそんな一定画面だけの戦闘は許さない!
このゲームでは、戦闘中に前後右横、つまり360度の方向から敵が襲ってくるのだ。
もちろん敵は背後からでも横からでも容赦なく襲ってくる。リアルに「敵が囲まれている状況」が再現されているわけだ。
ボタン操作でたとえば右の敵に攻撃できたり、正面の複数敵にのみ魔法をかけられるなど、色々な仕様がある。

が、このシステムが一番の問題であったことは皆さんの想像に難くない事だろうと思う。それも後に記述する。

 

5.壁で行き止らないシステム
普通のRPGだったら、壁に方向キーを押しっぱなしにしているとずーっとそこに歩き続けてしまうが
アレサだと、なんと勝手に横にスライドしてそのまま歩いてくれるのだ。
なんか逆にやりづらかった。

 

6.魔法修得システム
このゲームは、レベルは経験値を上げることで普通にアップするが、魔法は別の覚え方がある。
それは、ランダムで戦闘後に覚える可能性があるというもの(たぶん法則はある)。
これにより、魔法を覚えた時の嬉しさやワクワクが一気にアップするわけだ。

 

7.会話システム
とっても魅力的なキャラクターたちとなんと道中でいつでも会話ができるぞ!
仲間達は、次にどこへ行けばいいのかといった貴重なヒントをくれたりするんだ!
しかもキャラのでっかいグラフィックが画面にカットインするから魅力的なキャラの姿を鑑賞できる!
某有名RPGよりずっと先に仲間達との会話システムを取り入れていたやのまん!すごいぜ!
でも仲間たちは別にたいしたことも言ってくれないしぶっちゃけキャラ薄いぜ!
あとぶっちゃけ台詞もちょっと頭悪いのが多いぜ!

 

8.モンスター図鑑
今まで会ったことのあるモンスターが記録されるぞ!
HPや経験値、属性などが載っていて役立つしそれぞれ一言コメントとかあって楽しいぜ!
こりゃもう全モンスターコンプリートするっきゃない!?
そういえばこれも某ポケット的モンスターよりずっと先に取り入れてるやのまん、マジ尊敬!!

 

9.主人公が女の子
当時は珍しかった、ヒロイン自ら旅に出るという設定。
主人公アリエルは若くして大人の雰囲気を醸し出す、幅広く愛されそうな魅力溢れる女の子です。

 

とまぁ色々挙げたが、ネタはこれだけはないかもしれない。

とにかく、あらゆる試みを取り入れられた意欲作なのである。

が、何でも試してみればいいってもんじゃない。このゲームには大きな問題点があった。

 

それは、「やのまんがRPGを作るのが下手すぎた」という致命的すぎるウィークポイントであった。

 

そもそもやのまんゲームスなんて実質マイナーなメーカーで、アレサシリーズの他にまともなRPGを作ったことなんてないと思う。

このゲームはひたすらうんざりするぐらいにゲームバランスが酷かった。

バランスが悪いだけならまだしも、プレイヤーに多大なるイライラ負荷をかけてしまうのではもう救えない。

 

まずミクストフォーム強力すぎ。

試しに適当にやってみたら序盤でめちゃくちゃ硬い盾が手に入ってしまい、アリエルが受けるダメージが全部1になった。

ミクストフォームに頼らずとも、途中から主人公達がみんなほとんど無敵になる。

というのもこのゲーム、敵の攻撃がほとんど当たらないのだ。みんな造作も無くかわすかわすw

AGI、つまり素早さが上がると回避率が上がるんだけど、中盤ぐらいからコレが一定以上になって

ほぼ9割ぐらいの確率で敵の攻撃をかわせるようになる。当たってもダメージ一桁とかザラw

さらに魔法までもかわせます。

んで魔法は喰らったらさすがにある程度痛手を負うものもあり、中には一発で死ねるものもあって滅茶苦茶。

だからといって、まぁ当たらないのでたいして困りません。

 

じゃあ超簡単なんじゃないか?と思われるが、実はどんなRPGよりも苦難の道のりを歩むハメになるのがアレサ。

それはこのゲーム最強の敵「360度スクロール戦闘システム」のせいなのである。

 

とにかく鬱陶しい。物語の序章的部分を抜けるとこの戦闘システムが採用されるのだが、

こっちは一画面の的にちょこちょこと攻撃しなきゃいけないのに対して、

敵は四方八方からアリエル達をブン殴りに来るわけである。

しかもその数が半端無い!それぞれの方向に敵が4匹ずつとかいたりして、ほぼ毎回5〜12匹ぐらいのモンスターを相手にさせられるw冗談きついぜwマジでww

 

360度全方向にいる敵たちを一匹一匹片付けていくこの作業…

んでこっちは敵の攻撃全然当たらないから苦戦することも全く無い、淡々と倒していくだけ…

その繰り返しの中で次第に「あれ?俺何の目的で旅に出てるんだっけ?」「この敵あと5匹ぐらいいなかったっけ?」「こんなところにカラオケあったっけ?」とゲシュタルト崩壊していくこと受け合い。

ちなみにエンカウント率も普通に高い。

あと最悪なことに、方向のスクロールで酔うwww

中盤以降は100%と言っていいほど敵が360度どこかにいるので、まぁ相手してられるわけがない。

 

後半になると、全方向にいる全ての敵に大ダメージを与えて一掃できる魔法や、エンカウント率を下げる魔法を覚える。

で、MPを吸い取れる魔法やアイテムもあるので、ほとんど全体攻撃魔法で一掃したりめんどくなったらトヘロスしたりして

MPが尽きたら回復してまた作業開始…の繰り返しになるw

 

他にも、別の町に瞬間移動できるルーラ的な魔法で行ける所が全然無かったりとかして完全に馬鹿にしてる。

なので町から町への移動はほとんど徒歩です。

それでいて、「今からあの山にいるあの人に会って来い」とか言われて、最初のダンジョンまで戻るみたいな

糞おつかいイベントがあったりして、もはや嫌がらせとしか思えない。

 

随所に目立つ不親切さが完全にユーザーをナメきっている辺り、遊びで作ったようにも見える。

斬新なシステムを考える事に力を入れすぎたのだろうか?

そもそも360度方向で戦うシステムの良さはなんだったのか?完全に蛇足。工夫したんなら利益を出せと。

ここまでストレスが溜まるRPGもなかなか無いだろう。

 

それでも俺は途中で投げ出してしまうのがとってもシャクだったので、なんとかクリアした。

実際、ストーリーは正統派すぎてたいしたひねりもなく、エンディングも淡白だったので達成感は無かった。

アリエルとドーラが良キャラだったので頑張れた、それだけであった…(それでも思い入れ少なかったけど)

全く面白くないというわけでもなかったんだけどね。遊べるゲームではあったが、それ以上にストレスが溜まりすぎる作品だった。

とりあえず、アリエルに萌えたならそれだけでやる価値はあるかもしれない。

実際この子、パッケージを見るからに意外と巨乳だったりして、マイナーゲームに埋もれさせておくには惜しい存在だ。

ちなみに、本編でそういったよこしまなシーンがあるかというと皆無であるw

 

 

ここで続編のアレサUの話に移る。

何気に5作品目という、一部で根強い人気があったアレサシリーズ。

 

今作は、笑えるぐらい露骨に前回のシステムの大幅な反省がなされていた。

 

まず、ちゃんとダメージが表示されるようになったのが一番大きい。

アイテムを限られた数しか持てないなどの細かいダメポイントも全て改善され、

前作とは全く別のスタッフが作ったんじゃないか?と思えるぐらいしっかりした作りになっていた。

さらに、キャラ固有の必殺技なんかも登場。

また伝統を大事にしているらしく、キャラクターや会話システム、ミクストフォームも前作から引き継いでいる。

 

が、何を思ったか360度スクロール戦闘システムも継承してしまっていた。

何故そこまでそれをウリにしたがるのか。誰か言ってやれよ、ダメだって。

 

しかし前作に比べるとホントに驚きのテンポの良さである。

戦闘終了後のリザルトの表示なんてあっという間すぎてびっくり。情報を一つにまとめすぎである。

とまぁ、色々と変化はしているが、それ故にかなり凡庸な作品になってしまったという印象。

はっきり言ってしまうと、キャラ愛などが無いとこのゲームをわざわざプレイする理由が無い。

人にもよるかもしれないが、どう考えても他の正統派RPGをプレイした方が面白い。

必殺技システムだって月並みだし、ストーリーだって特に惹かれる部分も無いし…

そのせいですぐ飽きてしまった。

360度システムを無くしてくれればもうちょっとやる価値あったかもしれないが(アレは断固として「普通のRPG」と言わせたくないやのまんの最後の砦だったのかもしれない)

ちなみに、上の画像は左が1で右が2の戦闘画面なのだが

モンスターが、名前が違うだけでグラフィックが前作とまるまる一緒というモンスターばかりなのは流石にどうかと思った。

そんなほぼ使い回しのモンスターでも、ファンにとっては「この敵なつかしくてうれしー」なのだろうかw

 

どっちがちゃんと遊べるかと言われるとUの方になるのだろうが、

どっちが好きかと言われればTの方だろう。

なんにせよ、どこかでプレイヤーの心に強い余韻を残す、妙な魅力があるゲームであるのは間違い無い。

そこにこのシリーズの人気の秘密があるような気がするのである。

 


 

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